塗料・塗膜形成技術

糸さび

塗装トラブルと対策
【糸さび】  
英語名:filiform corrosion

欠陥用語 糸さび
英語名 filiform corrosion
類語
発生工程 前処理、塗装、乾燥・硬化後
現象 塗膜面に発生する糸状、または蜘蛛の巣状のさび。
塗装トラブルと対策【糸さび】
発生原因 B:前処理
・化成処理後の水洗が不十分である。(可溶性の塩が残っている)
・化成皮膜の結晶が針状で粗く、皮膜にピンホール状に皮膜の末形成むらが発生している。
・薬剤供給メーカーが指定する以外の方法で運転管理が行われている。
C:塗料
・塗料の防錆力が不足している(透湿性の高い塗料を使用している)。
G:乾燥・硬化条件
・焼付けが不十分である(焼付温度が低いか、焼付時間が不足している)。
H:その他
・塗装された物の保管(または設置)場所の湿度が高すぎる(80%RH以上)。
対策方法 ・十分に洗浄して、塩を取り除く。
・化成処理液を粒状で緻密な結晶が得られるタイプに変更する。
・化成処理の工法を浸溝方式にする。
・メーカーの指定する管理方式で行う。
・防錆カの高い塗料に替える。
・乾燥条件を調査し、焼付温度、焼付時間を仕様通りにする。
・低湿度の場所に置くか、その環境に耐える塗料に換える。
<備考:試験法>
(1)表面処理済、および未処理の素地にスポットをつける。(水道水滴、および1%の塩酸を0.05ml,φ20ml)
(2)10分間放置、
(3)100℃、3分間乾燥、
(4)塗装、乾燥、
(5)クロスカット、
(6)55℃、90%RHで33時間放置、
(7)20℃、75%RHで放置し、毎日錆の進行状況を観察。
確認方法及び使用機器 目視
対策商品 炉内温度計 イージートラック、XL
塩分計 表面塩分計
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