塗料・塗膜形成技術

はがれ

塗装トラブルと対策
【はがれ 】  
英語名:peeling

欠陥用語 はがれ
英語名 peeling
類語 はく離、ピーリング
発生工程 塗装、乾燥・硬化、電着、前処理
現象

塗膜が付着性を失って下層面から部分的にはがれる。塗膜間の「はがれ」(層間はく離)も「はがれ」という。
scaling(3m以上のはがれ)
flaking(3mm以下のはがれ)

塗装トラブルと対策【はがれ 】

発生原因 A:被塗物状態
・塗面にワックス、シリコン、水などが残っている。
・補修塗装で旧塗膜が焼付塗料の場合は研ぎが不十分である。
B:前処理
・化成処理後の水洗が不足している。
C:塗料
・下塗りと上塗塗料の組合せが不適当である。(下塗り塗膜硬度が高く、平滑で光沢がある面に上塗りする場合や、ペイントワニスなどの平滑な塗面に水性塗料を塗装する場合、および上下塗膜の線膨張係数の差が大きい場合)
・塗料と素材の組合せが不適当である。
・溶剤の溶解力が不足している。
・硬化剤の選択が間違っている。
E:塗装条件
・電着塗装の場合:水洗までのドレン時間の短い場合は、水洗圧カが高すぎる。
・旧塗膜の上に厚く塗り重ねをした。
G:乾燥・硬化条件
・下塗りの乾燥が不十分か、または焼きすぎになっている。
対策方法 ・塗面を溶剤で拭き取り清浄にする。
・旧塗膜を入念に水研ぎする。
・ノズルのつまり、噴射方向、洗浄時間などを調査、修正し、水洗を十分行う。
・下塗、上塗塗料の性状組合せを検討し、適正な塗料を選定する。
・素材に応じた塗料を選択する。(特に素材の表面が硬い場合に注意)
・適正な溶解力の溶剤を使用する。
・塗装仕様に合った硬化剤を選択する。
・水洗圧力を低くする。
・規定の膜厚を守る。
・上塗塗料を10~20℃下塗塗料より高い温度で焼き付ける。
・指定の乾燥法、温度・時間を守る。
[備考]目につきずらい箇所の小さな欠陥はタッチアップ補修を行う。欠陥の範囲次第は、下塗り・中塗り・上塗りの再塗装を行う。
確認方法及び使用機器 目視
対策商品 水分計 赤外線水分計  硬度計

 

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