塗料・塗膜形成技術

透け

塗装トラブルと対策
【透け】  
英語名:lack of hiding

欠陥用語 透け
英語名 lack of hiding
類語 隠ペい力不足、とまり不足、とまり不良
発生工程 前処理、塗装、電着塗装
現象

前処理:
被膜生成が不完全で素地が見える状態。
塗装、電著塗装:
素地や下塗りの表面が塗膜を通して見え、本来の色でない状態。

塗装トラブルと対策【透け】

発生原因 B:前処理
・素地が脱脂~化成処理の工程で酸化した。
・素地の脱脂が不完全である。
・表面調整液が劣化し効果がない。
・化成処理液の温度が低すぎる。
・素地が油焼けした状態のまま化成処理を行った。
・化成処理液の酸比(仝酸度/遊離酸度)が低すぎる。
C:塗料
・色の選定ミスで隠ペい力が十分ない。
・顔料が沈殿し分離した状態(顔料が少ない状態)で塗布している。
・塗料を薄めすぎている。
E:塗装条件
・塗膜の厚みが不足している。
F:塗装設備
・電着塗装において通電が不十分である。
対策方法 ・工程間で素地が乾かないように注意する。
・脱脂濃度を上げる。
・ノズルの方向を調整する。
・表面調整級を新しくする。
・化成処理液の温度を上げる。
・サンドペーパー、サンドブラスト、酸洗い等で油焼けを除去してから化成処理をする。
・遊離酸度を中和剤で適切な範囲に保つ。
・隠ペい力の高い色を選定する。
・下塗りと上塗りの色を近付ける。
・攪拌を十分に行う。
・希釈溶剤の量を減らし、仕様通りに希釈する。
・塗り回数を多くして塗料の厚みを増す。
・通電時間、電圧制御を仕様通りにする。
確認方法及び使用機器 目視、光学または電子顕微鏡観察、色差計、光学顕微鏡、電子顕微鏡
対策商品 温度計 プローブ式温度計 PH計 PHメーター 膜厚計 ミニテスト

 

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